『哀愁しんでれら』(2021)★★★☆☆

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児童相談所で働く⼩春は、⾃転⾞屋を営む実家で⽗と妹と祖⽗と4 ⼈暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な毎⽇を送っていました。
しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ⼀晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8 歳の娘ヒカリを男⼿ひとつで育てる開業医の⼤悟。優しく裕福な⼤悟はまさに王⼦様のようであった。出会って間もない彼のプロポーズを受け⼊れ、小春は不幸のどん底から⼀気に幸せの頂点へ駆け上がったはずだったのだが。
そんな幸せの絶頂にいた小春はなぜ凶悪事件を起こすにいたったのか。

物語の始まりがまさにシンデレラのようで度重なる不幸の中でも真面目に生きている小春。王子様のような⼤悟とのなれそめは音楽や演出もまさにおとぎ話のようだった。
〝足のサイズしか知らない王子様と結婚したシンデレラは本当に幸せになったのでしょうか?〟という問いかけの一つの答えのような本作。おとぎ話は王子様との結婚でおしまいでそれはあたかも結婚がゴールで幸せが保証されているかのようだけど、こんな恐怖展開もあるのですよというシンデレラの物語の続きの例をみせられたようで面白かった。
ラストの展開こそ極端ではあったけど、連れ子との関係の悩みや夫の不理解によって悩む小春のような女性はいる気がするし、真面目過ぎるゆえに夫の考えや「家族の幸せ」を盲信するあまり常軌を逸する行動に出るところはなんだかありそうで身震いした。

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