『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2018)★★★☆☆

★★★☆☆

心臓外科医のスティーブンは美しい妻とキムとボブという2人の子どもと暮らしていた。家庭の外で彼はマーティンという元患者の息子である少年と食事をしたりプレゼントをしたりと何かと気遣っていた。そんなある日、彼はその少年を家に招き入れ家族に紹介する。するとその日を境に家族に奇妙な変化が表れ始めるのだった。

とても不気味な映画だった。
終始流れる不穏な不協和音とマーティンの奇妙な雰囲気。
マーティンとは何者なのだろう。直接何か手をくだすわけでもなくスティーブンの子どもたちを蝕んでいく。呪いをかけることができるかのような少年。
マーティンはスティーブンの家族に接触した後謎の力で復讐をしていくのだが、これによるスティーブンの家族の崩壊が激しい。家族同士で蹴落とし合いというか、これにはぐったり。

父親であるスティーブンがとても腹立たしかった。
飲酒して執刀したことによる医療ミスでマーティンの父親の命を奪ってしまった罪悪感でマーティンの世話を焼いていたということ自体吐き気がするのだが、その中にある哀れみや無意識の見下しの気持ちが感じられてそもそもマーティンがどう感じるだろうかと嫌な気持ちになった。だから結局報復されたのだけど。。。

そして、人間は判断ミスをするものだと思うけど、追い詰められるとこんな間違いをしてしまうものなのだろうか。ラストはなぜこんなことに。より多くの人を救えるから1人を殺すの自体間違いだし、家族を殺すなんていう判断ミスの最たるもののように思うのだが。母親が殺すのはもちろん子どもでしょとか言っているのも恐ろしい。子どもはまたつくればいいんだからとか言ってたな。
不条理で観るのが疲れる話だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました