『バブル』(2022)★★☆☆☆

★★☆☆☆

オンライン試写会にて鑑賞。

映像の美しさは目を奪われる。パルクールという躍動感にあふれる動きをこちらが体感するように描いている点は圧巻だった。
水や自然の色彩が美しい。特に映像として好きなのはウタが泡から人間の姿になるところで、泡がまるで受精卵になるように細胞分裂をしていくシーン。バブルって消えてなくなりそうな儚さを連想させるのだけれど、この映画のバブルの設定は力強く生命力を持っていて不思議だ。

ただ、私の理解力が不足しているのかもしれないが、壮大な世界観のわりに物語が足早に進んで行ってしまってやや消化不良の感じがした。
特にもっとヒビキやパルクール仲間の心理描写がほしかった。主人公のヒビキは聴覚が過敏で生きづらさを抱えて生きてきたようだけど、ヒビキがウタと出会って一緒にパルクールをやるようになって同じ歌を聴いて、あれでなぜヒビキの自己受容ができたのかがわからなかったなぁ。海に沈み重力が壊れた東京で親のいない子たちがパルクールをしているのはなぜなのか?パルクールに何を求めているのか?
そのあたりがよくわからなかったので、崩壊した東京がウタが自分の身を投げ出してバブルとなりそれが渦を形成して降り注ぎ東京は再生へと向かうという壮大なラストを前に置いてきぼり感があって感動はできなかったかな。

〝いつかこの世界が命を終え地球が滅びたとしても私たちはまた大きな渦の一つとなるのだろう
たから、いつかまた会おう〟

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