『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(2019)★★★☆☆

★★★☆☆

CMディレクターをしている砂田は、東京で仕事に打ち込み、仲の良い夫と気軽な不倫相手もおり、不足ない生活を送っているように見える。ある日、病気の祖母を見舞うため親友の清浦(キヨ)とともに地元の茨城に帰ることになったのだが。

砂田とキヨがシンクロしているかのようなカットがあっておや?と思っていたら、なるほどそういう話なのか。
本にはキヨという存在は「現実世界と折り合う為の手段」と書いてあったけど、キヨはイマジナリーフレンドであり、キヨの素直でキラキラしていつもおおむね楽しそうなこのキャラクターは砂田のなりたかったもう一人の自分の姿なんだね。
孤独だなー砂田は。でも私もその孤独わかったりする。忙しくて充実した仕事、理解ある夫、何かを持っていることが幸せではない。周りを敵のように感じて距離をとり、取り繕って、虚勢を張って、孤独を深める。身体でつながっても心は満足しない。故郷を否定して遠ざかろうとするけど、そうするほどに今の足元がぐらつく。老いていく祖母、両親の姿に目を背けていたけどそこには確実に時が流れていて、自分も大人になっているのだ。
〝全然さみしくなくて、さみしい!!〟
これが感覚的にわかる気がする私も砂田と同じく「ダサい」ってことかなー。

映画をみて、おや?と思うことがあって本も見てみたのだけど結局わからずじまいだった。笑
本は映画の絵コンテという感じで割と映画の内容そのままという感じ。作者の柔らかい絵のタッチが素敵だった。

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