『幸せなひとりぼっち』(2015)★★★★☆

★★★★☆

妻に先立たれ職も失った孤独な老人オーヴェ。妻の後を追って自殺を試みるがなかなかうまくいかず。そんな中、思いがけない近隣住民たちとの交流を通して次第に頑なだった心がほぐれていく。

序盤にオーヴェの口グセの「ばかめ!」が出る度にこの老人は幸せではないのだなぁと悲しい気持ちになってしまった。「妻のソーニャ以外はどうでもいい」というセリフの通り妻が彼にとってはすべてだったんだろう。お墓を愛おしそうに撫でてるところとか、お花をいつも絶やさないところとか奥さんへの愛が伝わってくる。

周りに心を開くにつれてだんだんと表情が柔らかくなる感じがするオーヴェ。ルネを連れ去りにやってきた役所の職員を退散させた後、窓際で二人でニコっとするところよかったな。
彼を頑なにさせていたのは、孤独と満たされない承認欲求なんだろうな。そのオーヴェの心の変化に胸が熱くなった。

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