『先生、私の隣に座っていただけませんか？』（2021）★★★☆☆

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018で準グランプリに選ばれた企画が元になった作品。
漫画家である佐和子の新作漫画のテーマは「不倫」だった。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ佐和子の担当編集者の千佳と不倫をしていた俊夫はもしかしたらバレたかもしれない、と精神的に追い詰められていく。さらに物語は佐和子と自動車教習所の若い先生との淡い恋へ急展開していくことに。この漫画は完全な創作？ただの妄想？それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか？

不倫をテーマとしているにもかかわらずドロドロとしていなくて観やすい。
佐和子の描く新作漫画の内容が現実とシンクロし過ぎているだけに、自動車教習所の先生とのエピソードは現実に起こっていることなのかそれとも創作なのかわからないというスリリングさに夫の俊夫と同じくドキドキした。俊夫が自分は不倫をしているのに悪びれておらず、謝るタイミングにも嘘を突き通し、そのくせ妻の不倫は許せないというスタンスに私は頭にきていたので安心させてから落とすかのようなラストの展開に満足。